本剤はその作用機序から可逆的に末梢リンパ組織にリンパ球を保持することにより、循環血中のリンパ球数(平均値)をベースラインの約45%に減少させるため、感染症に対する感受性を高める可能性があります。
国内及び海外の臨床試験における感染症の発現割合は、プラセボ群と本剤投与群との間に大きな差は認められていないものの、本剤投与群で重篤な感染症の有害事象が認められています。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
導入期及び維持期の感染症の有害事象*の発現割合は、本剤0.92mg群32.3%(21/65例)、本剤0.46mg群30.9%(21/68例)、プラセボ群32.3%(21/65例)でした。最も見られた有害事象は上咽頭炎で、本剤0.92mg群13.8%(9/65例)、本剤0.46mg群14.7%(10/68例)、プラセボ群9.2%(6/65例)でした。重篤な感染症は、維持期に本剤0.92mg群に1例発現したCOVID-19でした。
オープンラベル継続投与期の感染症の有害事象*の発現割合は48.8%(82/168例)で、最も見られた有害事象は、COVID-19 22.0%(37/168例)でした。重篤な感染症は、虫垂炎2例、感染性腸炎及び蜂巣炎各1例でした。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ**)
重篤な感染症の有害事象*の発現割合は、本剤0.92mg群2.4%(28/1,158例)、プラセボ群1.4%(7/508例)でした。
本剤0.92mg群で3例以上に認められた重篤な感染症は、虫垂炎[本剤0.92mg群0.5%(6例)、プラセボ群0.2%(1例)、以下同順]、肺炎[0.4%(5例)、発現なし]、コロナウイルス感染[0.3%(3例)、発現なし]でした。
*感染症の有害事象:MedDRA/J SOC「感染症および寄生虫症」
** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
● | 本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察してください。 |
● | 感染症が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 |
● | 投与中止後、本剤の消失には3ヵ月を要することがあるため、この期間中は感染症等の副作用の発現に対する観察を継続してください。 |
PMLは多くの人に潜伏感染しているJCウイルスが、免疫力が低下した状況で再活性化して脳内に多発性の脱髄病巣を来す疾患です。JCウイルスの初感染は幼・小児期に起こり、成人の抗体保有率は全人口の80%程度です。
PMLの臨床症状は病名である「多巣性」を反映して多彩ですが、よく見られる初発症状は片麻痺・四肢麻痺・認知機能障害・失語・視覚異常などがあります。その後、初発症状の増悪とともに四肢麻痺・構音障害・嚥下障害・不随意運動・脳神経麻痺・失語などが加わり、失外套状態に至ります。
JCウイルスに対する特異的な治療はないため、PMLの治療は基礎疾患に伴う免疫能低下の回復/正常化を目指すことが主体となります。
(参考)難病情報センター:進行性多巣性白質脳症(PML)
潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内・海外の臨床試験においてPMLの報告はありませんが、多発性硬化症患者(国内未承認)を対象とした海外臨床試験で、PMLが1例報告されています。
● | 本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察してください。 |
● | 意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害、視覚障害等のPMLが疑われる症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行ってください。 |
(参考)厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル「進行性多巣性白質脳症(PML)」
国内外の臨床試験及び海外の製造販売後において、本剤投与により黄斑浮腫が報告されており、黄斑浮腫のリスク因子を伴わない症例も報告されています。
特に、黄斑浮腫の既往のある患者、またはブドウ膜炎又は糖尿病の既往歴等の黄斑浮腫のリスク因子のある患者へ本剤を投与する際はご注意ください。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
維持期で、非重篤の黄斑浮腫[本剤0.92mg群で1.5%(1/65例)]が認められました。当該症例は治験実施計画書の規定に基づき本剤投与は中止され、転帰は回復と報告されました。
オープンラベル継続投与期では黄斑浮腫は認められませんでした。
*黄斑浮腫に関連する有害事象:眼科医により確定された黄斑浮腫を注目すべき有害事象として報告することとした。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ***)
黄斑浮腫に関連する有害事象**は、本剤0.92mg群で0.6%(7/1,158例)に認められましたが、プラセボ群では認められませんでした。いずれも非重篤でした。7例中5例で黄斑浮腫を引き起こすことが知られている既存のリスク因子や併存疾患を有していました。
** 黄斑浮腫に関連する有害事象:MedDRA/J PT「黄斑浮腫」又は「嚢胞様黄斑浮腫」
*** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
● | 本剤投与中は眼底検査を含む定期的な眼科学的検査を実施してください。 |
● | 黄斑浮腫の自覚症状として初めは視力低下、進行が進むと変視、小視症、かすみ目、中心暗点、コントラストまたは色過敏症の低下などがあります。 |
● | 患者が視覚障害を訴えた場合や異常が認められた場合には眼科学的検査を実施してください。 |
● | 黄斑浮腫が確認された場合には、本剤の投与を中止してください。 |
[黄斑浮腫の既往又は黄斑浮腫のリスク因子(ブドウ膜炎又は糖尿病の既往歴等)を有する患者]
● | 本剤投与開始前に眼底検査を含む眼科学的検査を実施してください。 |
● | 本剤投与中も定期的に眼科学的検査を実施してください。 |
本剤の投与により心拍数低下、房室伝導の遅延が生じる可能性があり、特に本剤の漸増期間中に生じる可能性が高くなります。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
徐脈及び心伝導異常に関連する有害事象*は、導入期及び維持期では本剤0.92mg群で右脚ブロック、洞性徐脈が各1.5%(1/65例)、本剤0.46mg群で洞性不整脈1.5%(1/68例)、プラセボ群で洞性徐脈1.5%(1/65例)でした。
オープンラベル継続投与期では徐脈1.2%(2/168例)、洞性徐脈及び動悸が各0.6%(1/168例)でした。
注目すべき有害事象**は、導入期及び維持期では認められませんでした。
オープンラベル継続投与期では徐脈0.6%(1/168例)でした。当該症例は症候性でプラセボ群から移行した被験者に本剤投与8日目に認められました。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ***)
徐脈及び心伝導異常に関連する有害事象*で主な有害事象は、本剤0.92mgの徐脈0.4%(5/1,158例)で、いずれも本剤投与後3ヵ月以内に発現しました。重篤又は高度の徐脈は認められませんでした。
* 徐脈及び心伝導異常に関連する有害事象:MedDRA/J SOC「心臓障害」
** 注目すべき事象「心臓への影響[臨床的に重大な徐脈及び心伝導異常(第2度以上の房室ブロック)]」
治験開始時は全被験者を対象に、治験実施計画書改訂3版以降は心臓にリスクのある被験者を対象に、治験実施医療機関で治験薬の初回投与時に厳格な6時間の心臓モニ タリングを実施した。
臨床的に重大な徐脈(症候性、心拍数が45未満、又は治療を必要とする)、又は第2度若しくは第3度の房室ブロックを注目すべき有害事象として報告することとした。
*** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
● | 本剤の投与開始前に12誘導心電図により心伝導異常の有無を確認し、本剤の投与の可否を慎重に検討してください。 |
● | 本剤投与後に徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行ってください。 |
[心拍数低下、心伝導異常、不整脈等を含む心疾患(禁忌対象を除く)のリスクを有する患者又はこれらのリスクを有する薬剤を投与中の患者]
● | 本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討してください。 |
● | 本剤の投与を考慮する場合には、本剤の投与開始前に12誘導心電図及びバイタルサインを測定し、初回投与後6時間は継続してバイタルサインの測定を行ってください。投与から6時間経過後に12誘導心電図を測定し、異常が認められる場合には、12誘導心電図及びバイタルサインの測定を継続してください。また、初回投与後の患者の状態に応じて、漸増期間中も12誘導心電図及びバイタルサインを測定することを検討してください。 |
● | 本剤を休薬し、再度漸増を行う場合も、同様の測定を行ってください。 |
● | 本剤の投与により心拍数低下、房室伝導の遅延が生じることがあり、特に本剤の漸増期間中に生じる可能性があります。 |
[患者又はその家族等へお伝えいただくこと]
● | 本剤投与後に失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導してください。 特に本剤の漸増期間中は、心拍数低下、房室伝導の遅延が生じる可能性が高いため、十分ご注意ください。 |
● | 本剤の漸増期間中には、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の作業をする際には注意するよう指導してください。 |
本剤の薬理作用により循環血中のリンパ球数が減少します。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
導入期及び維持期で、リンパ球絶対数が0.2×109/L未満となった被験者の割合は、本剤0.92mg群13.8%(9/65例)、本剤0.46mg群3.0%(2/67例)、プラセボ群0%(0/65例)で、感染症を発現した被験者は認められませんでした。
リンパ球絶対数が0.2×109/L未満で治験薬の投与を休薬した11例は、2週間以内の再検査にて11例全例で0.2×109/L以上に回復、11例中4例で0.5×109/L以上に回復しました。また、11例全例がいずれかの時点で0.5×109/L以上に回復しました。
オープンラベル継続投与期では、リンパ球絶対数が0.2×109/L未満となった被験者の割合は10.9%(18/165例)であり、このうち1例で軽度かつ非重篤な上咽頭炎及び細菌性結膜炎が認められました。臨床的に重要な感染症を発現した被験者は認められませんでした。リンパ球絶対数が0.2×109/L未満で治験薬の投与を休薬した18例は、2週間以内の再検査にて18例中16例で0.2×109/L以上に回復、18例中8例で0.5×109/L以上に回復しました。また、18例中17例がいずれかの時点で0.5×109/L以上に回復しました。
● | 本剤投与開始前に血液検査(血球数算定等)を行ってください。投与中には定期的に血液検査(血球数算定等)を行ってください。 |
● | 本剤投与開始後、リンパ球数が200/mm3未満となった場合には投与を中断して、患者の状態を慎重に観察し、感染症の徴候に注意してください。 投与再開は、リンパ球数500/mm3以上を目安とし、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断してください。 |
本剤投与中に肝機能障害があらわれることがあるため、肝機能障害の発現には十分にご注意ください。海外の製造販売後において本剤との因果関係が否定できない重度の肝機能障害が認められています。
1. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
導入期及び維持期では、肝機能障害に関連する有害事象*のうち、器官別大分類「臨床検査」に該当する有害事象の発現割合は、本剤0.92mg群13.8%(9/65例)、本剤0.46mg群14.7%(10/68例)、プラセボ群3.1%(2/65例)であり、プラセボ群に比べて本剤群で高い傾向が認められました。最も見られた有害事象はγ-GT増加で、本剤0.92mg群3.1%(2/65例)、本剤0.46mg群7.4%(5/68例)、プラセボ群0%(0/65例)でした。
肝機能障害に関連する有害事象*のうち、器官別大分類「肝胆道系障害」に該当する有害事象の発現割合は、本剤0.92mg群6.2%(4/65例)、本剤0.46mg群1.5%(1/68例)、プラセボ群1.5%(1/65例)でした。最も見られた有害事象は肝機能異常で、本剤0.92mg群4.6%(3/65例)、本剤0.46mg群0%(0/68例)、プラセボ群1.5%(1/65例)でした。いずれの有害事象も非重篤でした。
オープンラベル継続投与期では、肝機能障害に関連する有害事象*のうち、器官別大分類「臨床検査」に該当する有害事象の発現割合は11.3%(19/168例)で、最も見られた有害事象はγ-GT増加4.8%(8/168例)でした。
肝機能障害に関連する有害事象*のうち、器官別大分類「肝胆道系障害」に該当する有害事象の発現割合は11.3%(19/168例)で、最も見られた有害事象は肝機能異常5.4%(9/168例)でした。いずれの有害事象も非重篤でした。
[肝機能検査値のベースライン後の最大の上昇]
基準値上限3倍以上のALT又はAST上昇と基準値上限2倍以上のビリルビン上昇が同時に認められた被験者は、導入期、維持期、オープンラベル継続投与期を通じていずれの投与群にもいませんでした。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ**)
発現割合が1%以上であった肝機能障害に関連する有害事象*は、本剤0.92mg群でALT増加6.6%(77/1,158例)、γ-GT増加4.6%(53/1,158例)、AST増加3.1%(36/1,158例)、肝機能検査値上昇1.6%(19/1,158例)及び肝酵素上昇1.5%(17/1,158例)で、プラセボ群では認められませんでした。
重篤な肝機能障害に関連する有害事象*は、本剤0.92mg群で胆嚢炎、急性胆嚢炎、胆石症、黄疸、高ビリルビン血症及び肝機能検査値上昇各1例、プラセボ群で急性胆嚢炎、胆石症及び黄疸各1例でした。
* 肝機能障害に関連する有害事象:MedDRA/J SOC「臨床検査」又は「肝胆道系障害」のうち、肝機能障害に関連する有害事象
** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
海外製造販売後において、多発性硬化症(国内未承認)の患者に肝移植を要する急性肝不全の症例が報告されています。
肝酵素上昇及び総ビリルビン上昇を含む肝障害の徴候は、早いものでは初回投与後10日以内に認められています。
重度の肝障害では、肝移植が必要になることがあります。
● | 本剤投与開始前に肝機能検査(ALT、AST、ビリルビン等)を行ってください。 |
● | 本剤投与開始後も定期的な肝機能検査を行ってください。 |
● | 本剤投与中に悪心、嘔吐、腹痛、疲労、食欲不振、黄疸又は褐色尿など、肝機能障害を示唆する症状が発現した患者では、肝機能検査を実施してください。 |
● | 肝機能障害が確認された場合は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行ってください。 |
[軽度又は中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類A又はB)のある患者]
● | 投与しないことが望ましいです。 やむを得ず投与する場合には、用量を減量してください。1~4日目は0.23mg、5~7日目は0.46mgを1日1回、8日目以降は1回0.92mgを2日に1回経口投与してください。患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意してください。 血中濃度が上昇するおそれがあります。また、肝機能障害がさらに悪化するおそれがあります。 |
[重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者]
● | 投与しないでください。 重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していません。 血中濃度が上昇するおそれがあります。また、肝機能障害がさらに悪化するおそれがあります。 |
本剤との因果関係は明確ではありませんが、国内外の臨床試験において悪性腫瘍が報告されています。
他のS1P受容体調節薬では、皮膚悪性腫瘍のリスク増加が報告されています。
本剤は循環血中のリンパ球を減少させることから、悪性腫瘍のリスクに影響を与える可能性は除外できません。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
悪性腫瘍に関連する有害事象*は、導入期及び維持期では認められていませんが、オープンラベル継続投与期では、精巣癌0.6%(1/168例)でした。精巣癌は被験者が本剤0.92mgの治療開始約22ヵ月後に発現しました。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ**)
悪性腫瘍に関連する有害事象*は、本剤0.92mg群1.3%(15/1,158例)、プラセボ群0.4%(2/508例)でした。
最も見られた有害事象は、本剤0.92mg群の基底細胞癌0.4%(5/1,158例)でした。
重篤な有害事象の発現割合は、本剤0.92mg群0.7%(8/1,158例)、プラセボ群0.4%(2/508例)でした。
* 悪性腫瘍に関連する有害事象:MedDRA/J SMQ「悪性腫瘍」に該当する事象
** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
本剤を投与する前に、悪性腫瘍のリスクに影響を与える可能性があることを患者に説明してください。
悪性腫瘍の発現が認められた場合は、専門医へ紹介してください。
可逆性後白質脳症症候群(posterior reversible encephalopathy syndrome, PRES)は、意識障害・痙攣発作・頭痛・視覚障害を症状とし、後頭葉白質に可逆性の変化をきたす脳症です。PRESの症状は通常可逆的で予後良好な疾患とされていますが、神経学的後遺症や死亡に至る例も報告されています。
潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内・海外の臨床試験においてPRESの有害事象*の報告はありませんが、多発性硬化症患者(国内未承認)を対象とした海外臨床試験で、ギラン・バレー症候群に併発したPRESが1例報告されています。
* PRESの有害事象:MedDRA/J PT「可逆性後白質脳症症候群」、「白質脳症」
頭痛、意識障害、痙攣、視力障害などの症状がみられた場合は、MRI等による画像診断を実施するとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行ってください。
(参考)
Hinchey J et al.:N Engl J Med. 1996;334:494-500
松田卓也, 他:日本集中治療医学会雑誌 2021;28:205-209
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
血栓塞栓症の有害事象*は、導入期及び維持期では本剤0.46mg群で片麻痺(重篤)1.5%(1/68例)、オープンラベル継続投与期では脳梗塞(非重篤)0.6%(1/168例)でした。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ**)
重篤な血栓塞栓症の有害事象*は、本剤0.92mg群で虚血性脳卒中0.3%(4/1,158例)、脳血管障害、急性冠動脈症候群、肺塞栓症、肺微小塞栓が各0.1%(1/1,158例)でした。プラセボ群では認められませんでした。
* 血栓塞栓症の有害事象:MedDRA/J SubSMQ(狭域)「動脈の塞栓及び血栓」、MedDRA/J SubSMQ(狭域)「静脈の塞栓及び血栓」、MedDRA/J SubSMQ(狭域)「塞栓及び血栓事象、血管タイプ不明及び混合型(動脈及び静脈)」
** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
血栓塞栓症が確認された場合は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
非臨床試験において、オザニモド投与による肺の変化は、反復投与毒性試験及びがん原性試験の各動物種で一貫して、肺重量増加並びに肺胞マクロファージ集簇及び肺組織球症の発現頻度の増加が認められましたが、これらの変化の発現頻度及び程度は投与期間に伴って増加せず、回復性が認められました。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
呼吸器に関連する有害事象*は、導入期及び維持期では本剤0.92mg群で咳嗽3.1%(2/65例)、本剤0.46mg群で呼吸困難1.5%(1/68例)、プラセボ群で間質性肺炎1.5%(1/65例)でした。
オープンラベル継続投与期では咳嗽5.4%(9/168例)、喘息1.8%(3/168例)及び咳喘息1.2%(2/168例)でした。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ**)
呼吸器に関連する有害事象*は、本剤0.92mg群8.0%(93/1,158例)、プラセボ群2.6%(13/508例)でした。
最も見られた有害事象は咳嗽で、本剤0.92mg群3.2%(37/1,158例)、プラセボ群1.4%(7/508例)でした。
なお、曝露期間で調整した1,000人年あたりの発現率は、本剤0.92mg群45.0、プラセボ群52.7で両群に明確な差異は認められませんでした。
24ヵ月時点まで本剤0.92mgが投与され、かつFEV1及びFVCのデータを有する261例で、FEV1及びFVCのベースラインからの変化率の中央値は、10週時点でそれぞれ−2.9%及び−1.9%、12ヵ月時点でそれぞれ−2.7%及び−1.1%、18ヵ月時点でそれぞれ−3.5%及び−2.7%、24ヵ月時点でそれぞれ−3.6%及び−2.9%であり、長期投与によりFEV1及びFVCの低下が認められたものの、臨床的に問題となるような変化は認められませんでした。
* 呼吸器に関連する有害事象:MedDRA/J SOC「呼吸器、胸郭および縦隔障害」のうち、呼吸器に関連する有害事象
** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
呼吸器関連事象が確認された場合は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
[重度の呼吸器疾患を有する患者]
症状が増悪するおそれがあります。
1. 日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第Ⅱ/Ⅲ相試験(RPC01-3103試験)
QT延長の有害事象*は、維持期では本剤0.92mg群で意識消失(非重篤)1.5%(1/65例)でした。
導入期及びオープンラベル継続投与期では認められませんでした。
導入期及び維持期で心電図が評価された症例のうち、QTcFが480ms超及び500ms超、並びにベースラインから30ms超及び60ms超であった被験者の割合は、本剤0.92mg群でそれぞれ0%(0/64例)、0%(0/64例)、6.3%(4/64例)及び0%(0/64例)、本剤0.46mg群でそれぞれ3.0%(2/67例)、3.0%(2/67例)、7.5%(5/67例)及び3.0%(2/67例)、プラセボ群でいずれも0%(0/65例)であり、プラセボ群と比べて本剤群でQT延長が認められた被験者数が多くみられました。
2. 中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外臨床試験(統合解析データ**)
QT延長関連の有害事象*は、本剤0.92mg群0.7%(8/1,158例)、プラセボ群0.4%(2/508例)でした。
最も見られた有害事象は、本剤0.92mg群で失神及び心電図QT延長が各0.3%(3/1,158例)、プラセボ群で心電図QT延長が0.4%(2/508例)でした。
* QT延長関連の有害事象:MedDRA/J SMQ「トルサードドポアント/QT延長」
** 潰瘍性大腸炎患者を対象とした海外第Ⅱ相試験(RPC01-202試験)、海外第Ⅲ相試験(RPC01-3101試験)及びそのオープンラベル継続投与試験(RPC01-3102試験)の長期投与の安全性評価に使用した統合解析データ
QT延長が確認された場合は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行ってください。